9 会館建設の経過
 町会会館ない時代役員会その他の会合は、主に会長宅(菅野清行)副 会長宅(北順太郎)で行い、集会は国鉄母子寮集会室を借用して開催し ていた。また国鉄職員集会所も利用したが、国鉄職員の会合が優先で思 うように日程ができず個人宅を使用することが多かった。 この時から限界を感じ、昭和45年頃から何とかしなければならないと役 員会に提案された。 しかし具体策となると資金の問題、土地の問題な ど課題が大きく必要性を痛感しながら具体的に進展しなかった。  若干具体的な事項として、人見町17番の空き家を購入する提案があっ たが実現しなかった。また北順太郎副会長の自宅(人見町19番号)購入 の話題もあったが土地が狭いという理由で立ち消えになった。  更に昭和52年に人見郵便局長だった三崎勇氏より、郵便局新築にとも ない旧局舎を無料で払い下げ、そのまま隣接する児童公園地に移動して はどうかとの提案に基づき、公園を使用する趣意書を函館市・市議会に 提出したが、児童公園という理由で実現できなかった。  さらに、国鉄の集会所を総二階にと意見がだされ青函局に地域発展の ためという大義名文で申し入れしたが、思えば虫の良すぎる提案であっ た。 昭和48年に発足した老人クラブ若老会も集会所がなく、この頃か ら急速に会館建設の機運が盛り上り、函館市も会館建設に対し500万円の 補助金を決定した。 ときを同じくして母子寮(この時点で国鉄から市 役所に売却済み)の跡地に道営住宅建設の構想が発表されたのでこの時を 逃して人見町会館の建設はないと判断、役員会で意見が一致し具体的に 作業を進めることとなった。その基本は  @ 人見町会だけでなく人見南町会と合同で建設する  A 土地は市役所から借用する  B 湯の浜町会方式とする(一階は町会会館とし二階以上は道営住宅) 以上の点を確認し会員に対して教宣活動を開始、昭和53年臨時総会を 開催提案した。    総工費  32,878,000円    拠出額  持ち家会員 月額 500円         借家会員  月額 300円    着工 昭和 55年7月    完成 昭和 56年3月  以上の骨格を提案、昭和53年4月から積立を開始、新会長に三崎勇氏を 選出して具体的作業を進めた。
 人見南町会との話合いも急速に進展、人見南町会も昭和55年4月の定期
総会で提案が可決された事により、新たに両町会で資金面・計画等に
ついて折衝、そのための建設委員会を構成した。構成委員は各5名ずつと
した。(以下)
 人見町会  三崎勇・島田武雄・数馬静志・石川直治・斉藤 博
 人見南町会 鎌田弁治・南条茂・田中彰・石垣敬治・宇佐美茂彦
 資金面の問題点として、人見町会は2年早く積立をしている事から、
両町会の拠出金の割合は、基本的に人見町会会員 800戸、人見南町会
会員 400戸とみなし最終的には持家会員・借家会員共町会組織は違って
いても最終金額は同額とすることを確認し、計画も建設委員会で新たな
角度から検討することになった。
 即ち湯の浜町会方式では、利用価値に問題があり、二階に住む居住者
から騒音で苦情がでていること、建設資金も鉄筋工事のため高額になり
メリットが少ないこと等の理由から、市役所から土地を借用することに
力点を置き交渉した。数回にわたる交渉を積み上げてきたが借用は困難
と判断、土地を購入することにし、価格面で折衝を続けた。その結果
   @ 土地面積 115坪 坪単価158,000円 計18,170,000円
   A 建物面積 110坪 坪単価300,000円 計33,000,000円
   B 完成期  昭和56年9月
 以上の計画が建設委員会で決定した。
 また、借入金返済を早急に終了するため会館が完成した時点から、
持家会員月額 1,000円借家会員 600円の拠出を決定した。
最終拠出合計金額は持家会員 66,500円借家会員 39,900円となった。
 両町会の建設委員の努力、役員・区長・班長・会員の協力、特に国鉄
官舎の会員の協力により、資金は順調に徴収され計画は確実に進み、
建設業者も人見町居住の登茂栄建設、日進建設のジョイント方式で進め
られ、昭和56年9月に完成した。
 管理運営については会館建設委員会を会館運営委員会に改め、独立
採算を基本として発足した。 発足時から平成9年までの収入は、葬儀の
使用料が主で年間2,000,000円の収入があったが、葬儀専門の会場が
出来たため急速に収入が落ち込んだ。そのため、管理委員会では、
赤字を出さないよう下記の方針を固めた。
     @ 平成10年度より管理人制度を廃止する
     A 利用者・使用者の増大に努め、収入増に努める
     B 管理の具体的な事項は管理委員長が責任を持つ
     C 今後とも独立採算制度を堅持する
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